2010年02月14日

「奇跡のリンゴ」から学ぶ~その8(最終回)~

この書籍の最後には、
脳科学者の茂木健一郎氏が
次のように述べている。

薬漬けの無菌状態で、
栄養剤を補給されている。それは
私たち文明人自身の姿ではないのか。
木村さんが発見した、「リンゴ本来の力」
を引き出すノウハウは、
私たちの生活にもまっすぐにつながる。
(中略)情報化の中で、ともすれば
やせ衰えていく私たちの生きる力。
木村さんのリンゴが私たちに
突きつける課題は大きい。(p.207)


すべては自然から学ぶ。
自然に逆らっては必ず失敗する。
当然のことを当然に行う。
普通のことを普通に行う。

自然の理にかなった
普通のことがわかる。

「欲」がどうしても優先してしまう私にとって
簡単なようで、実は
一番難しいかもしれません。

これが、この木村氏の生き方から私が学んだ、
もっとも大きな結論です。

最後に、考えさせられる一節を引用します。

「ただ、ひとつだけ不思議なことがある。
枯れかけていたリンゴの木の
一本一本に、木村が「枯れないでくれ」
と頼んで回ったときの話だ。
実を言えば、木村はすべてのリンゴの木に
声をかけたわけではない。
隣の畑や道路との境に面している
リンゴの木には声をかけずに
すませてしまっていた。さすがの木村も、
リンゴの木に話しかける姿を、
周りの農家に見られたくなかったのだ。
(中略)木村が声をかけずにすませた
リンゴの木は、一本残らず
枯れてしまっていたのだ」
。(p.191)